イタリア行きの飛行機の中で、は不機嫌に小さな窓の外を見ている。
薄暗い機内の中でその横顔は鮮明にリボーンの目に映った。

「なんで膨れてんだ、
「自分で考えや」
「考えても分からんから聞いている」
「・・・せやったら、聞いても分からんよ」

呆れたように呟くが可愛くて、リボーンはそのこめかみに軽くキスをした。
はやはり」呆れたような視線を向けるけれど怒ったり嫌がったりはしない。
リボーンは満足して微笑んだ。

「・・・どうせ俺を連れて行ったところで、すぐに飽きるで、お前」

周囲を気遣ってコソコソと囁くように言うの声は、掠れてどこか色っぽい。
本当はボンゴレが用意した専用機を使う予定だったのだがが嫌がって一般旅客機に乗っているのだ。
リボーンは最初こそ窮屈さに不満を表していたが「これはこれでいいな」と思った。

「この十数年、一度だって飽きなかった」

リボーンはコーヒーを飲みながら、言う。
想うことにも、焦がれることにも、欲しがることにも、一瞬も飽きはしなかったのだと。

「せやからってこの先が保障されるんか」
「保障して欲しいのか?」
「・・・・・・・・・・・」
「そんなもの、はなから無ェ」

永遠の愛なんて知らない。
それでも。

「それでもオレはお前が、好きだ」
「・・・さよか」

一昨日も昨日も今日も好きだった。
だから多分、明日も明後日も好きなんだろうと思う。そう信じている。

永遠なんてものはきっとそんなものの積み重ね。

「それにしても」
「・・・?」
「未来の保障を欲しがるなんて、随分とオレに惚れてるようだな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


いっそう不機嫌な顔つきになったに微笑んで、
リボーンはけして軽くはないキスを与える事にした。