アリ
「ごるぁ!!」
3番隊には暴力女がいるのですよ。
「あ、 !」
「げ。イヅル副隊長。」
「また喧嘩してるのか!?」
「いえ、もう終わりました。」
「手遅れだったか・・・。」
「悪いのはこいつらですよ!」
「で、今回の原因は何だ。」
「拉致られそうになりました!!!」
「・・・それはナンパの間違いじゃないのかな?」
「そんなわけないですよー!」
暴力女こと は、喧嘩っぽく、そして鈍感である。
しかし喧嘩については敏感なのである。
つまり
喧嘩に生きる女なのですよ。
モテるのにさ。
「とにかく帰るよ。」
「えー・・・。」
「帰るよ・・・?」
「はい。」
吉良イヅル、最近少し市丸隊長に似てきた様子。
もちろん仕事をサボったりはしないが。
「でもイヅル副隊長?」
「何だい?」
「あたしよりギン隊長の方が罪は重いと思いますよ?」
「そうかな?」
「だって隊長なのに仕事しないし。」
「そりゃぁそうだけど。」
「それに比べてあたしはただの3席ですもん。」
「でもね、君は明らかに周りに迷惑をかけているだろ?」
「そうなんですかね?」
「そうだよ。」
「ふーん。」
「現に僕は心配してるじゃないか。」
「そりゃあたしの彼氏ですもん。」
「そうだけど。」
「うぉーい、 ー!」
「あ、るぇーんじぃーーー!」
「よ、久しぶりだなー。」
「そうだねー。」
「また喧嘩か?」
「うんv」
「お前も懲りねぇなー。」
楽しそうに話す2人。
隣で少しイライラしているイヅル。
何故か。
は3席なのでもちろん副隊長のイヅルには敬語を使う。
たとえ彼氏であったとしてもだ。
なら何故恋次には敬語ではないのか。
正解 元カレだから。
はモテる。
元カレがいないはずがない。
もちろんイヅルは嫉妬するわけで。
「 、行くよ?」
「はーい。」
「じゃぁな。」
「ばいばーい。」
「イヅル副隊長、何か怒ってます?」
「そんなことないよ。」
「そうですかー?」
「そうだ。」
「あっそ。」
「 っ!」
「あ、修ちゃん。」
「久しぶりだなー。」
「昨日会わなかったっけ?」
「そうだっけな?」
「もう老化?ヤバいよ、それ。」
「いやいや、老化はねぇだろ。」
イヅル、再びイライラ。
何故か。
正解 元カレだから。
「 。」
「へ?あ、ごめんなさーい。」
「何だよもう行くのか?」
「だって仕事あるしさー。」
「お前それで3席だもんな。」
「失礼なっ!」
「ほいほい。じゃな。」
「ばいばーいv」
テクテク・・・
「 !」
「あ、冬獅郎!!」
「お前またサボりかよ。」
「違うし。」
「あ、喧嘩か。」
「正解☆」
「ったく喧嘩もほどほどにしろよ。」
「へいへい。」
「相変わらず血の気が多いんだな。」
「冬獅郎も相変わらず小さいね。」
「んだとコラ!!」
「あ、ごめんごめん。ほんとの事でも言ったらだめなんだね。」
チャキッ
「あー、殺さないで!」
「もう死んでるだろ。」
「そうだったね。」
イヅルはまたしてもイライラ。
何故か。
正解 元カレだから。
「 、帰るよ?」
「あ、はいはーい。」
「仕事頑張れよ。」
「うん。じゃーねー!」
「はー、今日は何か再会しすぎだなー。」
「そうだね・・・。」
「どうしたんですか?」
「いや、何も無いよ。」
「ふぅん。」
「ほら、仕事戻りな。」
「はーい。」
ガチャ
「・・・ ?」
「は、はい?」
「これは・・・君の仕業かな?」
黒。
黒。
真っ黒。
その正体は・・・
アリ。
「どうしたらこうなるのかな?」
「えっと・・・。」
「言ってくれないのかい?」
「あのですねー!」
「うん?」
「掃除機でアリ吸って遊んでましたっ!!」
「へぇ・・・?」
「アリって掃除機で吸われても死なないんですねー!」
「そうだね・・・。」
「あ、あのー・・・。」
「何だい?」
「怒ってます・・・?」
イヅル、先ほど が自分を無視して元カレと喋っていたことで大分イライラしていたのにこのザマ。
もう怒りは爆発を通り越した。
そして
「面白そうだね、今からやろうか。」
「え、あ、え・・・?」
「ただいまー。ってどないしたん!!?」
「あ、市丸たいちょー・・・。」
「どしたん ちゃん!何があったん!!?」
「あのですねー。」
「何したらそんな・・・
アリまみれになれるん?」
「掃除機でアリを吸ってですねー。」
「へぇ。面白そうやん。」
「それでさっきまで遊んでたらですねー。」
「うん。ボクもやりたかったなー。」
「そしたらアリがキレちゃってですねー。」
「アリってキレるんかい。」
「怒ったアリが大群になって襲い掛かってきたんですー・・・。」
「へぇー・・・。で、イヅルは?」
「埋もれてしまって分かりませーん・・・。」
「そりゃ困ったな。
イヅルがおらんかったら仕事する人おらんやないの。」
「だから早く救出をー・・・。」
「よっしゃ!任せ!」
翌日、アリがあふれかえった隊長室より
、イヅル、ギンの3人が救出された。
総隊長によって。
*後書*
誉様に捧げます。
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誕生日祝いの夢小説を頂きました。
嬉しいー・・・!