ゴキッ

「・・・・・・・・・・」

グキグキッ

「・・・・・・・・・・・・・・おい、

ゴキグキゴキキッ

!!五月蝿ェぞ!!」

日番谷冬獅郎はついに痺れを切らし怒鳴った。







                                              
 肩凝りニー






「スンマセンねえ。」

怒鳴られた張本人、は日番谷の不機嫌さもまったく意に介さずサラリと言った。反省している様子は微塵も無い。

「また肩凝ってるの?

の隣で仕事をしていた松本は心配そうに尋ねた。そう、さっきの音はが肩を解している音だったのだ。

「みたいだな。こないだ振った女の生霊かも」
「笑い事じゃないでしょう、それは」
呆れつつも心配する松本には笑って片手を挙げ、パタパタと振る。

「全ては俺の愛くるしさが罪ってネ」

「肩凝りぐらいで・・・」

日番谷はため息をつき手元の書類に目をやろうとしたが、松本が不機嫌そうに見つめてきたのでやめた。

「何だ」

「お言葉ですが、隊長。肩こりは酷ければ頭痛を伴い、他の病気を併発させる危険性もあります。」

「・・・だから、何だ」

は帰らせます。後の仕事は私が引き継ぎますので」

過保護もいいところだ。肩凝りなど誰でも患う可能性はあるし、命に関わるとは到底言えない。無論日番谷がそれを許すはずもなく。

「却下だ」

冷たく言い放ち今度こそ書類に目を通す。

「・・・・仕方ない。、少し揉んであげる。背を向けて?」

その言葉に日番谷は書類に判を押す手を止めず

「松本。仕事が先だ」

至極当然の事のように言ったが、松本は怒り心頭といった風に日番谷に詰め寄った。

「あれもこれも駄目!?部下をナンだと思ってるんですか!!」

その声の大きさに怒鳴られた日番谷どころかや他の隊員まで驚く。

「松本、たかが肩凝りで・・・」

何故俺がここまで怒鳴られる?と言おうとしたが。

「たかが、ではありません!!」

と松本の怒声に遮られた。

「ま、いいって松本。そこまで酷くないしさ」

がこう言ってんだ。もう良いだろう」

「いいえ!!?甘やかしちゃダメよ!こんな思い遣りの無い男!!」

「そこまで言われる覚えはねえ!!」

「アノー」

「これだからお子様は嫌なのよ!!配慮ってものを知らないんだから!」

「アノデスネー」

「だあああ!!じゃあ俺が揉んでやるよ!!それで良いんだろうが!!?」

日番谷の発言に松本はおろか、、隊員も固まった。平隊員が隊長に肩を揉んでもらうなど聞いたことが無い。

「俺は仕事は終わらせたから問題ない!、来い!!」

「うぅへえッ!?あ、あ・・・あぁ」

半ばヤケになったように日番谷は怒鳴り、を呼ぶ。松本は口を挟めなくなり渋々仕事へと戻った。

「座れ」

そう日番谷に言われて座ったのは隊長の椅子。はどうしようかと思考を巡らせた。このまま本当に揉んでもらって良いものかと。

「あのさ、やっぱ、遠慮しとく・・・」

小声でそう言っては立とうとするが、日番谷に押さえつけられ立てない。

「あそこまで言われて引っ込めるか。大人しくしてろ」

「・・・・そういうもんかね」

日番谷の眼が怖い。怒っている。怒り心頭だ。顔も怖いし、赤い。

「痛かったら言え。揉んだことが無いから勝手がわかんねえ」

諦めて身を任せたの斜め上から声が降ってくる。

「ああ、そうなのか?じゃあ・・・」

言っては死覇装の手前を少し開き、肩を出した。前は気持ち程度手で押さえる。男なのだから勿論隠さなければならない訳ではない。
いっそ上半身裸になったほうが幾分マシな状況だっただろう。ギリギリの線で体を隠す死覇装が余計に艶やかさを演出している。
「な!?」

斜上から日番谷の声が響いては顔だけ振り向いた。

日番谷の顔は真っ赤だ。

「??なんだあ?」

「何ってお前・・・!!何してんだ!!」

日番谷は顔を逸らしを見ない。日番谷の位置からはの項、鎖骨、薄い胸は見放題。日に照らされたの肌は白く強調されて見える。
そうでなくとも、本人に自覚が無いとは言え今のの格好は途方も無くキワドイ。

現に他の隊員は全員に釘付けである。
男女問わず、の色気は襲い掛かるゆえに、だ。

「!!!テメエら!!見んじゃねえ!!」

容赦ない日番谷の霊圧が隊員を襲う。賢いものはとっさに目を伏せたが、反応の遅かったものは直撃を食らい目を回した。

「何してんだ?いい加減寒いんだけど」

は状況について行けず頭上に疑問符を並べる。松本は何かに気付いたように、愉快そうに笑って事の成り行きを見守っている。

「あのさあ、隊チョー。直に肩に触れたほうが凝ってるトコ分かり易いんだぜィ」

はこともなげに言うが、日番谷は再び固まった。

「じ・・・じかに・・・」

「おぅ」

日番谷は眩暈を起こしそうなのを必死で耐えていた。布越しでも緊張して、というより理性を保つのに必死だというのに直に触れるとなると我慢のしようがない。

今目の前にチラつく白い肌ですら、自分を煽り続けているのに・・・。

(大体この男、鈍い上に無防備すぎだ・・・!!ナンだって俺はこんなヤツに惚れたんだ・・・!!)

肌蹴たままのの肩が視界に入ると、日番谷は後ろから乱暴に死覇装を引っ張りソレを隠した。そしての腕を掴み歩き出す。

「隊長?どちらに?」

松本が可笑しくて堪らないといった風に笑いながら問うと、日番谷は顔を真っ赤にして「隊長室だ!!」と怒鳴った。

そして。

「さっき見た光景は記憶から消せ。できない奴は俺が手伝ってやる」

凍りつくような霊圧と共に恐ろしい台詞を残して日番谷とは出て行った。

「ふふふ・・・成る程。お子様も立派に男ってわけ」

松本はその後思い出し笑いを繰り返した。













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・・・・コレは、ギャグなのか。ギャグって呼んでいいのか?
違う。違うと分かっているのにどうしようもないこの歯痒さ・・・・!!わたしの両腕に呪いあれ!!
リクエストしてくれた須藤さんに捧げます。気に入らないかもしれませんがどうか誉を見捨てないでやってください。
精進します。・・・しくしくしく・・・。